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毛がにの基礎知識

 2017/03/30 シーフード この記事は約 7 分で読めます。 660 Views
毛がに

毛ガニはエビ目カニ下目に分類されるカニの一種です。そもそもカニとは十脚目短尾下目に属する、甲殻類の総称です。十脚目というのは、文字の通り十本の足を持っていて、一般的なものですと、エビ、カニ、ヤドカリなどの種類があります。

その内で短尾下目なもの、つまりエビ等とは違い尾っぽが短いものがカニと呼ばれています。

実はカニではなく、ヤドカリと分類されるタラバガニも一見すると8脚のように見えますが、実は最後尾の一対二脚は小さいので甲羅の中に隠れています。

カニの体は背面部分が甲羅で覆われており、その先から一対の複眼が飛び出しています。それらの複眼は通常、外側の溝に倒して収納できるようになっています。他の甲殻類と同じく、カニもまた脱皮によって大きくなります。またカニの第一脚は一般的には「はさみ」と呼ばれ、先端が二つに分かれて両者の間で挟むように動かせるようになっていますが、実際に刃はついていないので、はさみと言うよりは、ペンチやピンセットのような働きが主だそうです。

カニは世界中の海に生息しており、その数は5000種類以上、日本の海域だけでも1000種類以上が生息していると言われています。淡水、沿岸、深海や洞窟まで、様々な水域にいろいろなカニが棲息しています。そうしたカニの多くは世界中で食用として漁獲されており、その料理法は刺身や焼き物、鍋など多種多様です。

日本では蒸して、または茹でてから殻を割って食べたり身をほぐして、そのあっさりとした食感をシンプルに楽しむ傾向が強いのですが、世界では調理されたカニ料理が多くこってりとしたソースと絡めたり、チリやスパイシーソースとともに食べることも多いようです。

毛ガニの特徴

毛ガニはアラスカ沿岸、カムチャッカ、朝鮮半島東岸など、太平洋沿岸に広く分布する大型のカニで、食用として有名です。「大栗蟹」という別名を持っていますが、栗の名は味についてではなく、薄茶褐色をした身体の全身が毛に覆われており、その見た目が栗のイガを連想させることからついた名前です。この毛はもちろん防寒用ではなく、周囲の動きを感知するためのものです。毛が動くことによって周囲の水の流れがわかり、接近する敵の気配も感じることができるそうです。ちなみに英名でもそのまま「hair crab」と呼ばれています。

日本では北海道を代表する食材の一つとして鮭、ホタテと並び、よく知られています。ズワイガニやタラバガニと比べると毛ガニは全体的に小さくずんぐりとした印象で、丸みを帯びた四角形の甲羅を持ち、甲羅はそれほど固くありません。オスは縦長の楕円形、メスはそれよりも幅広で円形に近く、メスの背面はオスに比べて丸みが強いのが特徴です。色は全体的に赤茶褐色、大きいものではオスで15cm、メスで12cmになります。

タラバガニやズワイガニに比べて食べられる部分が少ないものの、その身は他のカニに比べて繊細で筋肉質であり、引き締まったきめの細かさとジューシーな甘みがあります。また身もさることながら、毛ガニには多くのカニみそが詰まっていることで有名です。毛ガニのカニみそは濃厚な甘みと上品なコクがあり、口の中でふわっと広がる風味は絶品です。

毛ガニの生息地の分布

毛ガニはベーリング海の東側沿岸部から、千島列島、また朝鮮半島に至る北太平洋の広い範囲の海域に分布しています。特に北海道から千島列島沿岸に多く、主には水温が15度以下で水深30mから150mの砂泥底に生息しています。北海道では一年中を通して漁獲されていますが、春はオホーツク海、夏は内浦湾、秋には根室沿岸、冬には襟裳・釧路沿岸にて漁獲されています。

北海道ではかつて2万トンを超える毛ガニの漁獲量がありましたが、近年では2千トンほどに落ち込んでいます。毛ガニは繁殖力が低く、成長がとても遅いので、一度乱獲されるとなかなか漁獲量が回復することができません。そのため現在では漁期および漁法が資源保護の観点から厳しく制限されています。その内容は毛ガニのメスと8cm未満のオスの漁獲が禁止されているほか、年ごとに漁獲していい上限が決められた「許容漁獲量制度」が導入されています。

また毛ガニ漁業には「毛ガニかご」という漁具が使われます。えさは主にイカやさんまなどを使用し、15~20m感覚でロープにかごを取り付け、一昼夜海底に沈めておきます。これは毛ガニを傷つけずに生け捕ることのできる方法で、円錐形のかごの中央にえさが入った小さな缶をぶら下げ、匂いにひかれて集まってきた毛ガニがかごの中に落ちる仕組みになっています。かごに入った毛ガニは生きたまま水揚げすることができるので、その後かごを引き上げてから選別を行い、メスや小型なオスなどを速やかに海に戻すことができます。

毛ガニの生態

毛ガニは4月から5月、11月から12月の年に2回、産卵期に入ります。毛ガニのオスとメスは普段住んでいる水深が違うため、夏から秋にかけての交尾期になるとオスは上方のメスの住むエリアに出向きます。その後、オスはメスを後ろから抱きかかえ、メスの脱皮を促します。メスの脱皮後にオスは交尾を行い、メスは交尾後に3万粒から6万粒の受精卵を体外に出し、それらの卵を腹脚に抱えて一年あまりふ化を待ちながら保護します。卵は直径0.8~0.9mmで産卵直後はきれいなオレンジ色をしています。またメスは一生のうちに一度だけオスと交尾をし、その後の産卵はメスの体内に保存された精子を使用します。

ふ化した幼生は脱皮して2.5mmほどの稚ガニとなり海底で生活を始めます。その後も脱皮を繰り返し、生後一年で大きさが2~3cm、2年で4~5cmほどに成長していきます。オスは一年に一度ほどの周期で脱皮を繰り返し、4年で7~9cmになります。メスは13ヶ月から16ヶ月おきに産卵をしますので、雄に比べて脱皮の回数が少ないため、大きさも雄に比べて成長が遅れ、小振りです。

近年では、抱卵しているメスを捕獲し、ふ化した幼生を稚ガニまで育成し、また海に放流するといった取り組みが行われていますが、それ以上の養殖が困難なのは、毛ガニは成長が著しく遅いことと、稚ガニ同士を狭い場所で育成すると激しく共食いを始めてしまうためです。稚ガニは主にプランクトンなどを食べますが、その後、ゴカイやイソメなどの多毛類、貝、イカ、エビや小魚を食べて成長して行きます。

毛ガニの歴史

毛ガニは今でこそ北海道特産の高価な食材として有名ですが、その歴史は意外にも浅く、一般に食べられるようになったのは戦後のことでした。当時北海道の内浦湾ではカレイ漁の刺網に毛ガニが引っかかることが多く、網を痛めるという理由で毛ガニは厄介者扱いだったそうです。

その後、戦時中の各種食料品が統制されて、売るものが無くなった時代に、統制品目から外されていた毛ガニに目をつけた金谷勝次郎・静枝夫妻が地元の毛ガニを丸ごと煮て、「煮カニ」として長万部駅構内の売店で売り始めたことが人気のきっかけとなります。当時函館本線と室蘭本線が交差する長万部駅は、交通の要として多くの人々でにぎわっていました。「煮カニ」はたちまち有名になり、長万部の駅では常にカニの芳醇な香りが立ちこめ、構内はカニの殻でいっぱいだったそうです。

けれども毛ガニは長期の保存ができないため、「煮カニ」を販売できるのは漁のある夏だけでした。そこで勝次郎はなんとか通年販売ができるように、と当時としては大変高価な大型冷凍庫を購入し、カニの身をむいて冷凍にして保存し、酒や塩で味付けをした「かにめし」を駅弁として販売しました。かにめしは完成までに50種類以上の試作を繰り返し、その都度長万部駅の鉄道員に試食をしてもらったそうです。

昭和25年についに完成したかにめしは空前の駅弁ブームの立役者として人気を博し、毛ガニの存在も広く知られるようになりました。いまでもかにめしは長万部の名物駅弁として有名です。

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